路線価とその活用方法

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路線価

 路線価(ろせんか)は、市街地的形態を形成する地域の路線(不特定多数が使う道路のこと)に面する宅地の、1㎡当たりの評価額のこと。課税価格を計算する基準となるものであり、相続税や贈与税の基となる相続税路線価と、固定資産税や都市計画税・不動産取得税・登録免許税の基となる定資産税路線価があります。ここでは、路線価の基本的な知識とその活用方法について説明します。

 

[目次]
1.路線価の種類
2.路線価の決定方法
3.路線価の公表時期
4.価格の閲覧場所
5.路線価の使い方

 

1.路線価の種類

路線価には、相続税路線価と固定資産税路線価の2種類があります。

相続税路線価 国税局(税務署)が決定するもので、相続税や贈与税の算出に使います。一般的に路線価といえば、この相続税路線価を指す。
固定資産税路線価 各市町村が決定するもので、固定資産税、都市計画税、不動産取得税、登録免許税の算出に使う。

2.路線価の決定方法

 公示地価などが敷地そのものについての価格(単価)なのに対して、路線価は一定の距離をもった「路線」に対して価格が決められます。
 つまり、その路線に面する宅地の価格(単価)はすべて同じという考えかたで、個々の敷地における価格はその形状などに応じて補正をします。ただし、大都市部の幅の広い路線などでは、上り車線側と下り車線側、あるいは道路の途中から別々の異なる価格が付けられる場合もあります。
 都市部の市街地では、ほぼすべての路線(公道)に対して価格が付けられるため、その基礎となる調査地点(標準宅地)の数は約36万にのぼります。
 路線価は、公示価格、売買実例価額、不動産鑑定士による鑑定評価価額、精通者意見価格をもとに決められ、目安としては、概ね公示価格の80%程度です。

3.路線価の公表時期

後記の公示地価や基準地価における調査地点の10倍を上回る数のため、評価時期から公表まで時間がかかり、評価時点は毎年1月1日ですが、これが公表されるのは7月1日となっています。

4.価格の閲覧場所

 公表された路線価は、お住まいの地域にある税務署で見ることができます。また、「国税庁」のホームページや、一般財団法人資産評価システム研究センターが運営するサイト「全国地価マップ」でも確認できます。
 路線価図には1平方メートルあたりの単価が千円単位で表示されていますので、たとえば図中に「100」とあればその単価が10万円ということになります。 

5.路線価の活用方法

5−1.路線価の見方

 例えば、自分の土地の主要道路の路線価が510Cの場合、1㎡あたりの路線価が510千円であることを意味します。路線価は3年間を閲覧することがで価格の傾向(上昇、横ばい、下降)がわかります。
なお、Cという記号はその土地の借地権の割合を示し、Cの場合は70%になります。残り30%は土地所有者の評価になります。

5−2.売買の査定金額を算出

 路線価はその路線(道路)に接している土地の評価を表すものですが、実際の土地価格は土地の形状や路線の状況に評価が補正されます。一般的には地型が正方形に近く、道路に面している距離(間口)が長い程、評価が高くなります。
また、路線価は実勢価格(取引価格)の7割~8割になるように評価されています。例えば、路線価が510Cであるとすると、売買での取引価格は、510×0.7=728.5(千円/㎡)となります。自分の土地が50㎡のときは、36,425千円が売買の査定金額となります。
 この価格を基準として、プラス評価(角地、整形地など)とマイナス評価(間口が狭い、敷地延長、変形地)を反映し、自分なりの査定金額を算出していくことになります。

5−2.路線価相続税の算出

普通住宅地区の土地を相続した場合、土地の価格を算出して相続税の基礎控除額を超える場合は、相続を開始した日の翌日から10カ月以内に税務署へ申告しなければなりません。このとき土地の価格を算出するのに、路線価を使用するのです。

路線価例えば、相続した土地の主要路線が510Cで、50㎡の場合は次の計算になります。
この土地の1㎡の評価額=路線価×奥行き価格補正率価格
   =510(千円/㎡)×0.99
   =504.9(千円/㎡)

土地評価額=1㎡の評価額×土地面積
   =504.9(千円/㎡)×50㎡
   =25,245(千円)
この価格が相続税の基礎控除額を超える場合に税務署に申告する必要があります。

奥行き赤く補正率とは...
その宅地の奥行距離に応じて「奥行価格補正率表」に定める補正率です。
道路(路線)に一面にしか接していない宅地は、利用効率が悪いため評価が低くなります。特に奥行が極端に短い場合や長い場合は、利用しにくく用途も限られるため「奥行価格補正率」は大きくります。
奥行き価格補正率は、国税庁に記載されています。
補正率には、その他、側方路線影響加算率、二方路線影響加算率があり、土地の形状により適用することになります。

5−3.固定資産評価額

5−3−1.固定資産税の定義

 固定資産税とは、1月1日時点で保有している家屋や土地、有形償却資産といった固定資産に対して課される地方税です。

5−3−2.固定資産税の計算方法

 固定資産税は申告する必要がないので、自分で税額を計算する必要はありませんが、どのように課税されているかを知るためにも、固定資産税の計算方法について理解しておくことは大事です。

【計算式】固定資産税評価額(課税標準額)× 1.4%(標準税率)

 固定資産税の税率は、全国一律1.4%となります。ただし、市町村の判断により、財政上、とくに必要があるときはこれを上回った税率を課すことができます。
 また、税率を掛ける対象は、実際の固定資産の売買価格ではなく「課税標準額」という固定資産を独自に評価した金額になります。課税標準額は、総務大臣が定める「固定資産評価基準」に基づき査定されます。査定された価格は「固定資産課税台帳」に掲載され、納税義務者等が閲覧するために使用されます。需給関係の変化により資産価格は変動するため、3年ごとに評価が見直されています。これを「評価替え」といいます。

5−3−3.土地の固定資産評価

 土地の固定資産評価ですが、画地計算法に基づき計算されます。

【計算式】路線価 × 地積 = 評価額

5−3−4.家屋の固定資産評価

 家屋の固定資産評価も、土地と同様総務大臣によって決められた固定資産評価基準によって算出されます。家屋の場合、再建築価格または再建築費を基準として評価する方法が採用されています。このような計算方式を「再建築価格方式」といいます。再建築価格方式とは、評価の時点において、その場所に全く同じものを新しく建てようとしたときに必要とされる建築費を求め、その家家屋が建てられてから経った年数に応じて減価することを考慮し、その家屋の価格を計算します。計算式は次のようになります(再建築費評点、経年減点補正率)。

【計算式】単位当たりの再建築費評点 × 経年減点補正率 × 床面積 × 評点1点当たりの価額 = 評価額

 ここで計算された評価額が固定資産課税台帳に記録され、「課税標準額」となります。ここで、再建築評点とは、建築費を指数化したもので、工事の項目ごとに基準値が定められており、その建物で使用されているすべての材料や工事にかかる手間について、積み上げ式で計算を行います。
 また、経年減点補正率とは、1年経過の住宅の経年減点補正率は0.8というように、資産価値の減少を補正するものです。いわゆる減価償却費と同じような性格のものです。評点1点あたりの価格とは、「1円×設計管理費等による補正率」のことで、設計管理費等による補正率は、家屋を建築する際に一般的に原価に含まれている設計費、管理費、利潤等の割合をいいます。

6.まとめ

 路線価と公示価格の2から3割内に収まるように調整されます。しかし、取引価格の急激に上昇したり、下落する場合は実勢価格からかなり乖離が出てきます。路線価は7月公表で公示価格は3月公表ですので、タイムラグを使って若干の補正は可能になりますが、実勢価格が公示価格から30%以上乖離する局面も出てきています。例えば、平成27年度の路線価情報から判断すると、東京都文京区では路線価と実勢価格が1.9倍となっている土地もあります。このような上昇局面ではなかなか自らが売り出し価格を予測することが難しくなります。あくまで参考にしつつ、取引実績が多く、安心して相談できる不動産会社と売り出し価格を設定することが大事になります。

 

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